鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

B/N 2021.02.05 前進するために過去を諦める 〜シンクロニシティ発動のとき!

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昨日不動産価格の下落予想について書きましたが、そうなると当然困ってしまう方々が数多く出てきてしまう可能性があります。
特に住宅ローンや、賃貸アパートの建築や投資用不動産を購入した際のローンを抱えている方々です。


この方々は住宅ローンの方は言うまでもなく投資家についても個人の方が多いかと思います。
問題になるのは住宅ローンの場合は所得が下がった時、また投資の場合は賃貸料が減った時ですが、この混乱した世相の中、今後ローンの支払いが厳しくなるケースも増えそうです(既にコロナを原因として増えていますが、今後さらにプラスアルファで増えてしまいそうです)。
折良く昨日書いたように大規模な金融緩和を背景とした貨幣価値の下落を起因とする名目上の不動産価格の上昇が起こり、難を逃れる方も出てくるかもしれません。
また、金融機関との返済条件の組み換えの交渉が上手くいく人もいるかもしれません。


しかし、みんながみんなハッピーエンドとはいかないでしょう。
名目の価格はともかく、実質の不動産の価値は下がり続ける公算が強く、見通しは明るいとは言えません。
むしろ、大切な持ち家や土地、建物を失い、更に多額の借入金が残ってしまい、生活苦に陥ってしまう人が多く出る危険性があります。


それでは、家や財産を失い、生活も苦しくなってしまった人はどうしたら良いのでしょうか。


残念ながら、物質的な意味ではどうしようもありません。


ですが、どうしてもやらなければならないことがあることは、忘れてはいけません。
それは、すべてを失ったとしても、もう一度前を向くことです。
では、もう一度前を向くためにはどうしたらよいのでしょうか。
それは「過去を諦めること」だと私は思います。


以前このブログで書きましたが、土地はその土地に仮にある人の所有権があったとしても、本当はその人の土地ではありません。
例えば、今このブログを読んでいただいているあなたが、上に書いたような立場になって持ち家を失ってしまったとしましょう。
その時失ったあなた名義の土地は、実はあなたの土地ではなく、その土地そのもののものなのです。
あなたはただその上に住まわせてもらっていただけの存在だったのです。
そして、その土地から何らかの理由でダメだしされてしまったのです。


ではその責任はだれにあるのでしょうか。
それは、あなた自身なのです。
もちろん第三者から見れば、強引に売りつけた不動産屋、とか、成績欲しさにホイホイとローンを付けた金融機関とか、あるいは家を持って一人前だと煽った身近の人間とか、実際はいろいろなケースがあるかもしれません。
ですが、買ったのはあなたなのです。
ですから、あなたの責任なのです。
そして、その結果万一どうしようもない立場に陥ってしまったとしても、その責任はあなたにあるのです。
周りの人に迷惑をかけてしまった、その咎もすべてあなたが負わなければならないのです。
そして、土地にダメ出しされてしまった責任も(その理由がわからないかもしれませんが)あなたなのです。


全ての責任はあなたにあるのですから、あなたのしなければならないことは、すべてに責任があり、みんなに大変な迷惑をかけ、そして無様にも失敗してしまったことを、正面から受け止めながら、まず終わってしまった過去を諦めなければならないのです。
どんなに格好悪くても、自らの姿を直視し諦めなければならないのです。
なぜなら、既に終わってしまったからです。


そして、過去を諦め、再び立ち上がるのです。
今あるスタートラインがどんなに底で苦しい場所からでもです。


反対に言えば、立ち上がるために過去を諦めるのです。
そして過去の素晴らしい幸せな記憶を涙を流しながら心に留めるためにも、挫折し大切な人を不幸にしたという事実を直視するのです。


そして、もう一つ大切なことは、「この挫折が本当に失敗だったのか、その後の大きな成長と成功につながる大きな学びに場であったのかは、もっともっと先になってみないとわからない」ということです。


この出来事が、遠い将来「大きな学びの時であった」となるためには、過去を諦め、過去を糧として、立ち上がり未来へ進むのです。
そして、不幸にした大切な人たちにも報いていくのです。


人は心で立ち上がり前を向き前に進むとき、物事が動き出すことがしばしばあります。
シンクロニシティです。
ですから、立ち上がり、前に進み始めましょう。
その時、この挫折は実は土地からの贈り物であったことが、やがてわかるかもしれません。
何が成功で、何が失敗か、それは今この時に決まるわけではなく、ずっと先に行って決まることなのです(今日は、このブログを書いている私自身にも向けて書きました)。