鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

B/N 2021.02.04 大阪路線価が下がった、とてつもない衝撃

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そのは下記の通りです(1月26日付のニュースの内容の一部を貼り付けました)。


国税庁は26日、相続税などの算定に使う2020年1月時点の路線価について大阪市内の繁華街3地点を対象に減額補正(下方修正)すると発表した。減額補正は1955年の制度開始以来、大規模災害時を除き初めて。新型コロナウイルスの影響で地価が大幅に下落し路線価を下回る状況になり、修正が必要と判断した。今春にも大阪市名古屋市の一部地点で減額補正を追加する可能性がある。」
とのことです。
要は大阪の一部の商業地の地価が大きく下がっていますよ、ということです。


大阪は東京より経済規模がだいぶ小さいので、土地の価格に関してはバブル時代のころより、地価が上昇する時には東京に遅れて、反対に地価が下落する時には東京より早く、顕在化する傾向があります。
特に地価の下落が顕在化するにあたっては、東京よりその現象がより短期間で極端に表れる傾向がありわかりやすいので、私は地価が下がる時の先行指標のような理解をしております。
で、今回はその地価下落の顕在化が起こっているわけです。


もちろん東京でも経済や社会の外部環境から実態の地価が下落していることは容易に想像できるわけですが、今回大阪でその動きがドラスティックに顕在化してきたことにより、今後地価の全般的な下落や不動産市況の不振が、目に見える形で現れてくるという可能性も視野に入ってきたと言えるかもしれません。


ただし、不動産はその裏側に金融があります。
昨今のコロナ化での大規模な金融緩和という背景の中では、直近一本調子で下落してゆくということはあるいはないかもしれませんが、中長期の視点では少子高齢化やポストテレワーク(テレワークを経験し、かつそれである程度は適応出来たという事実)による事務所縮小の波の中で、地価が下落していく(もしかしたら貨幣価値の下落から表面上は地価が上がっているように見えるかもしれませんが、実質価値は下がるというということも含みます)ということになるのではないでしょうか。


また、恐らくこれに人々の価値観の変化(物から心へ)も上乗せされると、地価の実質的な下落にとどまらず、更には不動産の利用の在り方そのものが問われるということにもなろうかと思います。


今回、これらの現象の顕在化がいよいよスタートしたということと言えるでしょう。


やはりこれから時代は変わっていきそうです。