鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

土地親和論‐土地親和論とは(下)

f:id:winds082012:20210623201342j:image

1970年代にノルウェーの哲学者アルネ・ネスにより提唱され現在では有力な環境思想の一つとなっているディープエコロジーという概念があります。

このディープエコロジーとは何か

本日のWikipediaには以下のように書いてあります。

「ディープエコロジーDeep ecology)は、1973年にノルウェー哲学者アルネ・ネスが提唱したエコロジーの概念である。

ネスはそれまでに存在した環境保護の活動を「シャローエコロジー」(Shallow ecology)とし、欠けている分野を深めたものを「ディープエコロジー」と名づけた。ネスによると、すべての生命存在は、人間と同等の価値を持つため人間が生命の固有価値を侵害することは許されない。従来の環境保護運動では、環境保護は人間の利益のためでもあると理由づけされていたが、ディープエコロジーにおいては環境保護それ自体が目的であり、人間の利益は結果にすぎない。

1970年代は公害反対運動など産業面での環境対策活動が主体であり、生活者個人の生き方にまで目を向けることは少なかった。 ディープエコロジーは、環境保護は究極的には個人の自覚と覚醒が重要であることを示し、1990年代以降の全地球規模の環境保護運動に直接・間接に大きな影響を与えている。」

 

ディープエコロジーとは人と自然の同等価値観を認めた考え方で、私が考案している「土地親和論」と非常に近いものがあります。

更にディープエコロジーは個人の自覚と覚醒が重要であることを主張し、かつその個別の活動を概観すると人と自然・生命存在との一体性を前提としているものも多くあり、土地親和論もディープエコロジーという概念に含まれるものという解釈さえ成り立ちます。

 

従いまして、当然私はディープエコロジーの活動を高く評価しております。

ただディープエコロジーの活動の中にはキリスト教と言う一神教を歴史的背景とする西洋発の活動にありがちな教条主義的で排他的なものも散見されるところが気になりました。

土地親和論では社会システムの創造(少なくとも多少でも影響を与える)を目指すという目的を持つことを意図しています。

そのためには土地親和論の中味は身近で庶民的で多くの人が近寄りやすい開かれた現実性を持つものにする必要があると考えています。

先ずは身近で小さな一歩からということです。

そしてそのような親しみやすい現実性を持つための一つの大きな鍵は、縄文の昔より大地や森や周囲のモノと親和して助け合うという精神(心のDNA)が宿ると同時に庶民的で現実的でガラパゴス的でユニークな内容に満ちている日本的発想にあるのではないかという考えにいたっております。

これは私がこれまで日本的なものにどっぷりつかってきた日本人であるからこそ気が付いたことでしょう。

 

従いまして私は「土地親和論」を日本の得意技である和洋折衷・和魂洋才により、ディープエコロジーの概念に日本古来の文化や日本人の心のDNAを基礎として生成される日本的志向を融合して、日本発の次世代に繋げる持続可能社会を創り出すための新時代の共生哲学・社会の概念であるという位置づけで展開していくことにしております。

またこの概念に基づく新時代の共生的な生活スタイルを『親和スタイル』とも名付けることにいたします。

 

そして今後この「土地親和論」を基盤として不動産や社会を取り巻く色々な問題を考察し、このブログの中で土地親和論シリーズとして逐次掲載していくことにいたします。

またブログを読んでいただいた皆様の中には皆様なりの親和論があろうかと思います。

このブログをきっかけとしてお互いの親和論やそれに関連する情報の交換・連携の輪が広がっていく、「土地親和論」がそんな一つの着火点になることが出来ればより嬉しいことかと思っている次第です。