鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

密かに膨満するバブル〜首を切られてのたうち回る蛇(その2)

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現代の蛇は金融市場です。

 

蛇のノタウツさまを振り返ってみたいと思います。

 

サブプライム問題に端を発した2008年のいわゆるリーマンショック以降、各国の中央銀行は金融市場の崩落危機回避や企業への資金供給のため大規模な金融緩和をします。

その結果、金融市場に莫大な資金が集まり金融市場は立ち直り、更に株式市場の指数や債券の価格はリーマンショック以前を上回る水準に到達した国も出てきました。

また、中国を始めとしたアジアの新興国アメリカなどでは表面上(格差が大きくなりましたのでこう書きました。ただ、アメリカではトランプ以降比較的貧しい層の雇用が実際に改善したようですが)好景気に沸くところも出てきました。

そう、金融資産やビットコイン等の新しく出てきた仮想通貨等が、金余りを背景に時に暴騰する銘柄も出てくる中で、一部の資産家と主に金を目当てとしてそれに群がる人々が富み、それ以外の人たちは蚊帳の外という形での好景気です。

 

しかし、新型コロナの出現によりこの状況は一変したかに見えました。

昨年2~3月にかけて、各国でコロナの蔓延を背景とした諸々の活動の萎縮が急速に巻き起こる中で、深刻な経済停滞の状況が起こってきました。

ちょうどその時リーマンショック以降の各国の中央銀行が金融緩和の出口を模索し始めていたことも相まって、経済指標の歴史的なマイナス予測を背景に市場の急激な下落が起きました。

 

さあ大変です。

 

その結果、各国の政府や中央銀行は金融緩和にプラスして給付金を配布するなどして、リーマンショック以降をはるかに上回る資金を市場や国民に供給します

それにより去年の春以降金融の市場は持ち直します。

経済の指標も去年の4~7月期から前期(この期に各指標が歴史的に下落しました)比で持ち直します。

ただ前年比では持ち直しているとは言えない水準が多かったようです。

そして景気はこの低調な傾向が続きます。

 

まあなんとも慌ただしい限りです。

このような時は、努めて冷静な(心の)目というものが必要になるかもしれません。

物事の展開が荒っぽく、時代の移り変わる狭間を感じさせていますので。

 

ともかく筆を進めます。

 

この時行われた資金の供給は金融対処の大規模な輸血であり、このような野放図な資金供給をいつまでも続けるわけにはいきません。

資金つまりお金を供給するということは、その反面相対的にお金の価値が下がるということを意味しますので、悪性のインフレが巻き起こる危険性を秘めています。

これは金融市場では金利の上昇(債券価格の下落)という形で反映されることになろうかと思います。

金利が上昇すれば、株式市場にはマイナスの圧力がかかります。

現在の実物の経済はコロナの影響もあり停滞している中で、資金の供給や金融価格の上昇を背景とした消費や需要に依存している状況と言えますので、金利の上昇はどうしても避けなければなりません。

もし現在の金融市場に野放図な資金供給を背景としたバブルが発生しているとしたら、そのバブルは弾けその結果金融機関に深刻な危機が発生して経済における血液たる資金の循環が滞り、深刻な不況が到来することになるでしょう。

 

それでは今バブルは発生しているのでしょうか。

 

私は既に巨大なバブルが発生していると考えています。

 

続く