鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

土地親和論 ‐ 家は買うべきかの判断(その1)

家を持つということは戦後一貫として人生の一大イベントになっており、現在でも世間の関心ごとの一つになっています。

それを反映して巷の雑誌やネットなどでも、家は買うべきか借りるべきかということについて、不動産の専門家や知識人、あるいはインフルエンサー的なユーチューバーがしばしば意見を述べております。

大体中味は経済的にどちらが有利か。

論点は金利、老後、テレワークの進展等が多いようです。

 

これらの内容を見ると、この先3040年今の世の中の仕組み様子が大枠変わらない、例えば東京の街並みも(大体東京あるいは首都圏のマンションが話題の対象になりなすので)大枠変わらない、ということが大前提で語られていることが多いです。

不動産は大変高額な商品です。

しかもことによると半世紀以上付き合うことになる資産です。

そのような資産であるにもかかわらず、現在の社会の仕組みや人々の価値観が継続するという前提で考えてしまっていいのでしょうか。

いまコロナの蔓延一つで世界情勢が激変しそうな世情を見るにつけ、果たして上のような前提でいいのでしょうか。

良いわけないですよね。

 

話しを戻します。

私の答えははっきりしています、以下の通りです。

親の世話で必要でとか、どうしようもなく土地や家が気に入ったしまったとか、健康上の理由で田舎暮らししますとか、仕事上あるいはどうしても農業をしたいのでとか、家を買う必要性に迫られ(この中には上に書いたように土地や家に恋してしまったことを含みます)かつ自己資金中心で賄うことが出来て過度の借り入れをしないで買えるならば、買えばよろしい。

それ以外の人は買わない方が良い、ということです。

特に30代ぐらいの若いご夫婦が親の援助を得つつ35年ローンを組んで、「いや資産価値があるので」とか「今から老後に備えた人生設計をしています」とか「この町のハイソな雰囲気が好きなので」などといいながら、共働きによる収入前提で都会の高額なマンションや一戸建てを買うなどというのは言葉は悪いですが平和ボケの正常性バイアスに満ちた行為と言え、もっての外のことです。

 

次にその理由をご説明いたします。

 

続く