土地親和論 ‐ 家は買うべきかの判断(その3)
これまで書いてきましたが、現在の持ち家が人生の目標などという価値観は、実際はいわゆる55年体制ともいうべき昭和の時代の遺物となっています。
都会でマンション、郊外で夢の一軒家を持ち一家の主(あるじ)、などという時代ではないのです。
しかし現在の老人中心社会における声の大きい有力者や親・親族という高齢者のいわゆる老害洗脳作用が働き、若い人の多くも時代が変わったことに気が付いていないようです。
あるいは委縮している、とも言えるかもしれません。
まだまだ、世間一般の価値観、同調圧力、業界によるバラ色の人生設計という宣伝、老後に備えるなどという恐怖心のあおり行為等に惑わされ、不動産を取り巻く環境のほんとうの姿を見失っているということが言えます。
何か違和感を持ってはいる人は当然いるでしょうが。
ではどうしたら良いのでしょうか。
それは自ら冷静になり色々なモノへの執着を断ち切り、物事を俯瞰して見るようにすることです。
モノゴトをその外面の見える部分だけを見るのではなく、その内面を見ようとすることです。
そのためには自らの心を尋ねていく必要があります。
これらのことを念頭において、今回のテーマである家と向き合う場合どうしたらいいでしょうか。
私はその答えが土地親和論であると考えています。
土地親和論で何故人が地と一体化していると説くか。
それは、一体化であることを自覚していることにより、人が上で書いたような幻影に惑わされず、地を俯瞰して眺めることにより感性による対話が可能になり、それに基づく直感による情報も加味した冷静な判断を行うことが出来るようになるからです。
土地と親和することで新たな情報を人は得ることが出来るようになるわけです。
人は土地や不動産に値札や安定した老後などという従来の価値感だけでなく、別の価値尺度があることに気が付くことになります。
その結果人の持ち家志向は自ずと弱まり、従来の幻影に惑わされ家を買ってしまい昨日ブログで書いた理由により致命的な損害を被るといった悲劇が事前に防げるということになるのです。
そうです、救われることになるのです。
人々特に感性の良い若い人や女性は是非地と人は一体であるということをイメージしてください(今のところ私の独断ですが40歳前後以降の親父は響きにくい人が多そうなのではないかと漠然と感じていますので)。
地に問いかけてください。
仮にマンションを多額の借金をしてでも買いたいという欲望に取りつかれてしまった時は、分譲マンションを内覧した時、値段がどうたら間取りがどうたら今なら利子がお安くてお得がどうたらお子様の教育環境ばっちりがどうたら等のセールストークは程々にして、是非その物件に寄り添いその物件の周辺の土地に寄り添って土地や建物の声や匂いを聞いて嗅いでください。
その心がけが大切なのです。
恐らく皆様方の心の中に今までなかった価値観や情報、ヒントといったものが芽生えてくるかと思います。
それを気のせいだと無視しないようにしてください。
良い情報が直感という形で提供されているかもしれませんので。
完