鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

中国の不動産(その1)

今中国で不動産開発大手の恒大集団の経営危機が話題になっています。

債務の支払いに支障が生じており会社が破綻する可能性が極めて高くなっているようです。

この問題ですが、一般的に言って不動産会社がこのような状況におちいったらまず回復は見込めません。

そもそも中国の不動産価格は明らかにバブル状態で上がりすぎ、ここ数年廃墟のような無人のビルやマンションを放置しながら国が何とか問題発生を先延ばしにしてきたがついに支えられなり、ここにきて問題が表面化してきたと見るのが妥当でしょう。

こうなったらいくら国が支援したとしても(国は面倒を見ないかもしれませんが)どのみちこの会社の破綻は避けられません。

何せ不動産とは「本来なら極めて動かしにくい」産ですので、その価格水準を人為的に操作するのは非常に難しいのです。

ですから今回のような長年にわたり一方通行で上げてきた不動産の価格水準が一転逆方向である下落の方向に進み始めた場合、そもそも現在の価格水準が不当に高いのですから一旦始まった下落の方向を止めたり変えたりするのは(国がいくら頑張っても)ほぼ不可能なのです。

ですから、もし恒大問題に絡み金融なり何なりの取引をしている方がいらっしゃったらアドバイス申し上げます。「淡い期待をしないように。結論はどのみち実質破綻で問題はその時期だけでありますので」、と。

更に本日他の不動産会社でも同様の問題が発生しているとの情報も出てきています。

当たり前です、現状の不動産価格が高すぎバブルが発生しているのですから。

このような時は全般的な不動産崩壊が起こるのです。

かつての日本のような。

それでは今後の中国の不動産は、また中国人の投資に頼るところの大きい日本の不動産はどうなってしまうのでしょうか。

続く