鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

逆張りのすすめ(その1)

いきなりですが、私達は今どんな時代に生きているのでしょうか?

天下泰平の時代でしょうか?

 

コロナやその後の異例ともいえる世界一斉のワクチン接種の展開を見て、今はそうではない非常時だということは皆様異論はないと思います。

それでは近未来はどんな展開があるのでしょうか?

 

例えばワクチンパスポート導入に賛成の人の中には、真顔で「経済を回すため」という人がいます。

周囲の人の言動やネット等の中の意見を見るにつけ、こういう人の中にはワクチン接種の更なる進展とワクチンパスポートの導入により近い将来コロナの蔓延がおさまり、その後はコロナ前の社会生活に戻ると本気で思っている人も少なくないようです。

 

それではコロナ前の社会に戻ることは可能なのでしょうか。

私はそんなことはないと考えています。

 

その理由は、現在コロナによる世界的混乱だけでなく、リーマンショック後更に拍車がかかった拝金主義を背景とした放漫金融の限界(今まさに中国の不動産バルブ崩壊かで揺れていますが)、格差の拡大、ポリコレへの評価に代表される人種文化面での混乱分断顕在化、恐らくまだ本当の原因がわからない気候変動の問題、そして極めつけは(意外に思われるかもしれませんが)西洋キリスト教社会の衰退と東洋文明の台頭の顕在化、等々従来の手法が通用しない歴史的転換期であることを予兆させる複数の問題が同時に発生しているからです。

これらの問題はコロナが蔓延したから発生してしまったものではありません。

むしろコロナの発生と軌を一にするカタチでこれらの問題もほぼ同時期に煮詰まって来た、というように私には見えます。

 

私は好きで良く歴史関係の書物を読みますが、時代が変わる時というのはこういうことがよくあるものです。

幕末におけるペリーの黒船のような、何かをきっかけとして変わるべきものが変わっていくという。

私は、その何かが今回はコロナであったのであって、コロナの出現により世の中が変わっていくわけでは必ずしもないと考えています。

要するに今回のコロナが発生していなくても、別の変化のきっかけとなる「何か」は出てきたと思います。

今はそういう時なのです。

そして今回はたまたまこのタイミングで新型コロナが出てきたというわけです。

そして上に書いたような潜在的にくすぶっていた問題が一斉に煮詰まってしまい、時代は大きく変わっていくのです。

 

歴史を見てみるとこのような変動は70~80年あれば必ずどこかの主要な大国で見られる現象であるようです。

ましてや今は世界が繋がっています、70~80年に一回ぐらいは源平合戦期や明治維新のような歴史的転換を伴う混乱が日本でも発生するだろうと予想することは、それほど暴論でもないように思います。

第二次世界大戦が終わって75年、ここ日本でも従来の体制の在り方を大きく揺るがす新たなご維新が起こっても不思議ではないタイミングに入っているというわけです。

 

したがって、私の結論はコロナ後に以前の日本に戻ることは「ない」ということです。

 

では、こんな時私達個人レベルではどんなことに気を付ければ良いのでしょうか。

 

その答えはこれまでの定番、常識、定石そして世間の目に引きずられないようにするということです。

上のようなものは大転換後の社会においては極めて価値や優先順位が低くなってしまう可能性が高いものです。

要はあまり役に立たないものになるということです。

 

ですから定番や定石、世間常識といったものでない方法を模索する必要があります。

つまり逆張りを恐れない、ということです。

 

続く