鈴木 優 土地親和論

鈴木優は、「土地親和論」を提唱し次世代における新しい社会創造のためには「地と人が一体であること」を実感することの大切さを説く。不動産鑑定士。不動産コンサルタント。

岸田総理に関する一市民としての世迷言

岸田氏が総理大臣になり、昨日組閣がありました。

 

まだ総理大臣になって数日です。

どんな政治をするかはわかりません。

 

ですが、今回の組閣と自民党の役員人事を見ていると、政治にド素人の私ですから頓珍漢な解釈かもしれませんが、私なりに感じたことがありましたので、ちょっと書いてみます。

 

感じたことその1

 

とりあえず今は大宏池会内閣のようですね。

このことは報道でもしばしば言われていますので、詳しくは書きません。

ともかく大宏池会内閣ですね。

ということは、岸田氏は昭和の安定し手堅い自民党政治の雰囲気を標榜しているのでしょうか。

ともかく選挙を前に自民党の内部でなるべく波風を立てず無難に纏めたいという方向性を感じます。

 

感じたことその2

 

次の選挙はもしかして捨てている?

 

というのは人事が旧態然とした老人自民党色全開で、小泉進次郎氏のような大衆受けする目玉を採用することもなく、このままでは選挙を捨てているのではないかという感がしているからです。

要するに悪い意味で国民に媚びていない、いわゆる永田町の論理中心で動いている、という感じです。

 

しかし、しかしですね、好意的に見れば、いや、むしろ、なるようになれ、私は舵を放した、選挙に勝つことへの執着を放した、というようにも見えます。

通常の人なら出来ないでしょうが、岸田氏は苦労人で頭脳明晰な人物と聞いていますので、今はこの手が上策と考えているのかもしれません。

というのは、もし私が岸田氏の立場であれば、衆議院選挙までは自民党の中を纏め守りを固め、もし自らにまだ勝運ありで幸運にも戦況で大負けすることなく政権を維持出来れば、その後本格的に自らの政権基盤を固めるべく策略の限りを尽くすという、肉を切らせて骨を断つ的な戦略を取るかもしれません。

なぜなら、自民党が負けるということは、すなわち現在党内基盤が必ずしも強くない岸田氏にとって目の上のたんこぶの有力者の勢力も弱まり、その拘束から自由になるチャンスが巡ってくるかもしれないということを意味するからです。

まあこれは、総理の座などに魅力を微塵も感じていない私だから採用する戦略かもしれませんが。

 

私なら自民党へも未練はありませんから、衆院選後の立憲民主党等一部野党との政界再編も頭の隅におきながら、今の岸田氏のスタンスになるかもしれません。

古い自民党復活などと批判されようと馬鹿にされようと。

まあ、岸田氏がどう考えられているかはわかりませんが。

 

感じたことその3

 

福田達夫氏の抜擢。

 

私ならその2の戦略もありうると書いたのは、これがあったからです。

 

この抜擢は、当然前提として福田達夫氏が有能であるということがあるのでしょうが、

もう一つの大きな意味合いは細田派の分裂、一部草刈り場化を意図しているように思えます。

福田達夫氏は祖父、父と総理大臣を務め細田派ではオーナー家ともいえる立場で、ある程度の派閥内グループを持っている存在であるようです。

 

一方細田派には次期会長といわれる巨人安倍晋三氏がいます。

ただし総裁選の高市氏の動きでもわかるように、安倍氏細田派をがっちりと掌握しているわけでもないようです。

その要因が福田氏を中心とした派閥内グループの存在ということもあるかもしれません。

福田氏は抜擢されることにより、細田派内で安倍氏に対抗する事実上の福田派旗揚げに繋がる求心力を持ってくるかもしれません。

そうなれば、もし総選挙で自民党がそこそこ負ければ、安倍チュルドレンに選挙が弱い議員が多いことも相まって、安倍氏の派内勢力が相対的に弱まり安倍福田で細田派分裂の兆候が出るかもしれません。

麻生氏は既にその派閥を纏める力がないことは総裁選で露呈済み、また二階氏も高齢でまた総裁選で勢力減退かつ総選挙の幹事長交代という背景がありますので、細田派が実質分裂し安倍氏の勢力が後退すれば、結果として選挙に負けた方がむしろ岸田氏の党内勢力基盤が安定するという状況が生まれてくるかもしれません。

同時に党内若手に求心力のある福田達夫氏とよしみを結ぶことが出来れば、悪くはありません。

まあ、賭けですが、今の岸田氏がもし自らの政治をそれなりの期間思う存分果たしたいと思っているのならば、この手を打つ選択肢が出てくるかもしれません。

 

後は自民党が惨敗した時はどうか。

 

現代政治ド素人の私ならば、戦況で惨敗しても自民党は第1党でしょうから自民党分裂上等で、支持母体の創価学会が高齢化により選挙神通力減退中の公明党との連立解消、上でも書きましたが立憲民主党等野党の再編を誘導しながら一部野党有志との連立模索で活路を見出す、という戦略を取るかもしれません。

 

まあ、岸田氏が実際何を考えているかは全くわかりませんが。

しかし臥薪嘗胆、今のような時代は意外と出だし地味な方が成功することがあります。

21世紀に入ってから政治は大衆受けすることに気を取られ、結果衆愚政治の色彩を帯びてきたことも否めません。

久々に地味な宰相となった岸田氏が生き残りのために今後どんな戦略を取るか、はたまた地味なまま短命で撃沈してしまうか、私がこの旧態然とした人事を見て、むしろ興味が沸いているというのが本音であります。

 

以上、現代政治ド素人、総理大臣未練ゼロの私の世迷言でした。